SSブログ

酔っても家に帰れるのはなぜ? [日々の雑感]

忘年会シーズンですね。

夜中まで仕事をして帰る時、電車の中は酔っ払いだらけです。こちらがシラフだと臭いです。電車では、ときどき、一瞬だけ上を向いてから下を向く行為をリズミカルに繰り返す人もいます。踊っているみたいですが、いつ胃の中にある内容物の噴射が始まるか、怖くて仕方がありません。

先日、帰りの電車で、女性が私の目の前で男性(彼氏?)に抱きつくような感じて、「気持ち悪い。もうダメだ。絶対だめだ。もたない。絶対に吐くよ」と繰り返していました。その女性は、男性に抱きついていたので、その顔が、男性(彼氏?)の肩に乗り、つまり、その女性の顔が男性の肩越しに、私の目の前にありました。これはいけません。

ここから先は、汚い話しは嫌いという人は読まないでください。

その女性の目は、私を見ていました。しかしながら、私を見ていませんでした。私の顔を見ながらも、私のずっと後ろの方の何かを私の顔越しに見ていたような印象でした。何を観ていたのでしょうか。虚空でしょうか。それとも近未来に起きるかもしれない、壮絶な、そして、凄惨な電車の中の胃酸地獄でしょうか・・・・。

このとき、最悪なことに電車が激しく遅延していて、ある駅でじっと停車していました。どんどんどんどん酔っ払いが乗り込んできて、気分が良い人、悪い人、様々な人たちが押し合いへし合いの最悪な状態になっていきました。ぎゅうぎゅうだったので、私はその女性の眼前からこの身体を避けることが出来ませんでした。

ときどき、その女性が小さな声で口走ります。

「ううっぅぅぅぅ」

実は、私が一番恐れたのはゲップです。
このような状態のときは、ゲップが出ると、あわせて消化途上にある様々な飲食物が逆流し易くなります。経験のある人なら分かるでしょう。ゲップが出たときは覚悟が必要です。

ですから、先ほどの「ううっ」の後に、「んぁ”っ」という感じでゲップが出たときは、次の瞬間に逆流する可能性が極めて高いです。その恐怖から、私は、いつでもその女性の顔を別方向にグイと向けられるよう、右手は、ボクシングのファイティングポーズのように、脇をしめて構えていました。いざとなれば、身を守る覚悟です。それ以外に身を守る術はないのですから。

それにしても、このような閉鎖空間で吐かれるのは最悪です。連鎖破綻を起こすからです。そうなれば、私は身を守る術がありません。

私が子供だった頃の悪夢がよみがえります。

小学校5年生のとき、クラスで伝説的な事件が発生しました。

バスで林間学校に行ったときに起きたことです。それは後に田野上君事件(本人の名誉のために仮名にしています)として語り継がれた事件です。

彼は、バスに酔い、吐きそうになりました。彼の前の席に座っていた私は、よく覚えています。さっきまで笑っていたはずの人一倍元気でうるさい田野上君が、大人しくなったので、眠ったのかと思って振り返ったら、彼は、前のシート、つまりは私の座るシートの一点をじっと見つめて沈黙していたのです。じっと動かずに。

あれ? 様子がおかしい。

車酔いですね。彼は考えていたのかもしれません。人一倍大食いで巨漢の彼が吐けば、その被害が甚大であることを。それはディープインパクトとして、このクラスに計り知れない被害をもたらすことは必須でしたから、彼はそれを防ごうとしていたのかもしれません。あるいは、ただ単に、吐きそうだけど吐きたくないと思っていたのかもしれません。ですが、好意的に解釈することとして、小学校5年にして167センチの身長、80キロ近い体重があった彼は、その被害を食い止めようと、逆流と戦っていたのであろう、ということにしましょう。

彼は、少しでも被害を小さく抑えようとしたのでしょう。
我慢に我慢を重ねて・・・、限界まで待ってから・・・、
突然に走るバスの窓を開け、その窓のところで、

「あぉぉぉぉぉぉぉ・・・・」

と吐いたのです。

これが事件の始まりでした。

窓の外に向かって吐いたはずの大量の嘔吐物は、バスの中へ勢いよく大量に流れ込んでくる風に押し戻され、漏れなく田野上君の頬を伝い、彼よりも後方に座っていた人たちに雨となって散って行きました。バスの外には飛んでいかなかったのです。そして、その光景と匂いにやられた我がクラスメートの数名が次々と吐き、その光景と臭いが、更に他の生徒へ飛び火し、まさしく胃酸地獄が発生したのです。

話しを戻しますが、電車の中で、そのような凄惨な光景をみたくはありません。なんとか持ちこたえてほしい。そう願うばかりでした。

結局、その女性は次の駅で降りて、ホームの反対側に向かって歩き、向う側でげえげえやっていました。かわいそうですが、私は被害には合いませんでした。

という前置きはさておき、どんなの酔っ払っても、家までたどり着けるようですね。私の知人は、電車で20分以上の距離を、どこをどうやって歩いたのか、終電がなくなった後だったのに、無事に家に着いたことがある、と言っていました。人間は、その気になればなんとかなるのですね。私はそこまでお酒は飲めませんが、凄い機能だと思います。人間にも、ハトのような、特殊な力があるのでしょうか。それも酩酊状態となってから発揮される特殊な能力が・・・・。不思議ですね。

忘年会シーズンですが、飲みすぎには注意しましょう。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。